神戸芸術工科大学 ファッションデザイン学科

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ファッションショー

特集:教員の取り組み

ファッションデザインコース:西脇プロジェクト/野口正孝教授

今回の特集は、教員が学生と共に行っているプロジェクトを各コース一つピックアップして紹介します。

概要

兵庫県内には神戸市を中心として様々なファッション関連の地場産業があります。神戸市のアパレル、真珠、靴、豊岡の鞄、姫路・龍野の皮革、加古川の靴下などが代表的な例ですが、神戸市の北に位置する北播磨地域には日本で最大の綿織物の産地・播州織があります。西脇プロジェクトは播州織の振興とその中心地である西脇市の中心市街地の活性化を目的とした産学連携プロジェクトです。産地の商社と連携した新商品の開発や播州織をキーワードにしたイベントを開催する活動をしています。

プロジェクトの意義

西脇市は、北播磨地域の地場産業である先染綿織物・播州織の中心地です。播州織はメーカーからの注文により生産を行う受注加工の産地でしたが、近年、ファッション産業の長期低迷や中国を代表とする海外生産地との価格競争に巻き込まれて、規模を縮小しています。また、播州織の低迷とともに、西脇市の人口は減少し、住民の高齢化も進み、商店街が衰退、閉鎖した工場の建物や空き民家が目立ち、その中心市街地は、活気が減少しています。本プロジェクトでは、高度な生産技術を持つ地場産業と研究と教育の中で育んできたデザイン力を持つ本学とが産学連携を組み、地場産業の振興を目指し、西脇中心市街地の活性化を行うとともに、「ものづくり」を通じた社会に即した人材育成を目的としています。

西脇プロジェクトは、本学のある神戸市に接する北播磨地域の地場産業・播州織の振興と西脇中心市街地の活性化を目的にして、2004年に開始しました。2005年には西脇商工会議所や産元商社と連携し、国登録有形文化財「旧来住家住宅」を会場にして、播州織を用いたファッションショーを行いました。2006年より西脇商工会議所からの依頼で播州織特区事業をスタートし、西脇の「n」に可能性を示す「able」をプラス(+)して産学連携ブランド「n+able」を立ち上げました。同年、11月には神戸ハーバーランドで期間限定ショップ「100人のシャツ展」をオープンし、「n+able」のファッションショーを行い、学生のデザインしたシャツの販売を開始しました。2007年には本学の環境・建築デザイン学科の協力を得て、西脇市の中心市街地の使われていない播州織の工場を再生して、「播州織工房館」をオープンさせました。工房館の目的は、播州織を使った製品を販売する播州織の発信基地であると同時に、播州織をキーワードにした中心市街地のコミュニティセンターとしての役割を果たすことです。そこで西脇プロジェクトでは、学生のデザインした「n+able」ブランドの製品の企画、制作、販売をするだけでなく、播州織を用いた浴衣を作り、「七夕ゆかた祭」を工房館で開催し、中心市街地に人を呼び込むなどの活動も始めました。「七夕ゆかた祭」は今年で4年目となり、地域の祭りとして定着しつつありますし、地域の商店街が開くセントラルカーニバルにタイアップした「まちんなかギャラリー」の開催や「へその西脇・織物祭」でのファッションショー「ヘソコレ」への参加、「播州織総合素材展」へ出展するなど地域に溶け込んだ活動をしています。

また、これまで播州織では作られていなかった製品を提案して播州織の可能性を広げる活動もしています。シャツ地のオックスフォードの技術を用いて帆布を作り、「播州ジーンズ」やトートバッグなどを制作して販売を始め、注目を集めました。その中で開発したヒッコリー地が2010年のNHKの大河ドラマ「龍馬伝」のオープニングに福山雅治がはく袴に採用され、西脇商工会議所からの依頼で「龍馬ジーンズ」も作りました。また、2012年から地元で野外ライブを開始した西脇出身のミュージシャン・トータス松本とコラボして「HARIMA’O’」のカーゴパンツの商品企画を行い、現在も販売しています。最新の企画は西脇プロジェクトの学生がデザインして提案した帽子がトータス松本に取り上げられ、「HARIMA’O’」のハットとしてこの8月31日播磨中央公園で開催される野外ライブ「歌う!トータス松本風速MAX」でデビューしました。

旧来住家住宅での展示
野口正孝(教授)
ファッションデザインコース担当
経歴:Guerre-Lavigne ESMOD修了
専門領域:衣服設計、ファッションデザイン
研究内容:地場産業の商品開発(播州ジーンズ、多可ひのきジーンズ、松右衛門帆トートバッグ等)