神戸芸術工科大学 ファッションデザイン学科

神戸芸術工科大学

神戸でファッションを学べる大学

2012年度卒業制作 全作品ダイジェスト

今回の『F&T JOURNAL』の特集にあわせて、2012年度のファッションデザイン学科卒業制作の全作品を紹介します。

ファッションデザインコース

ファッションデザインは時代の空気を肌で感じて、人の表層をデザインすると同時に今日の時代の美意識をデザインするものです。

学科賞の「押し込められる身体」は、現代のファストファッションが作り出した同一の価値観を押しつけてくることに対する批判を込めて、衣服に身体が押し込められている作品を制作しました。着ることで金箔の表層がひび割れ、衣服がはち切れそうになる程に身体が拘束されている強い表現が評価されました。ファッションデザインコース賞の「Supernova explosion(超新星爆発)」は、巨大な星が燃え尽きて大爆発する時に発する美しいきらめきとエネルギーを現代の女性像に映し出した作品です。箔を貼り付けた皮革を用いて、極めて造形的で作り込んだコスチュームとして表現したものです。また、かわいさとエロティシズムの二面性を持った女の子のためのランジェリーの作品「Fairy tale」もあり、コンセプチュアルなコスチュームからリアルクローズまで幅の広い作品が発表されました。

テキスタイルデザインコース

今年度の卒業制作も、技法・テーマにおいてバラエティに富んだ作品が完成しました。

学長賞の「細胞」はシルクスクリーンと塩縮を組み合わせて加工した布を用いて、観客が透けた素材が重なる中に囲まれ不思議な感覚を体験できる作品。また、テキスタイルデザインコース賞の「22」はシルクスクリーン技法を駆使して、完成度の高い表現効果を出し、現代の屏風ともいえる若者らしいパネル作品となりました。写真をオーガンジーにプリントした「日々の泡」は、昨年度に設備導入された昇華プリント機の特性を十分生かしたものとなりました。今年は、3人の学生がファッションショーへ参加し、衣服など身に着けるものとしてアプローチする学生も多かったのが特徴です。つづれ織の「惑星」は、おおらかなデザインで温かみのある作品でした。

卒業研究の内容は自由度が高く、迷い、苦労しながらの1年間でしたが、学生それぞれが自分の個性を表現し、新しいテキスタイルの可能性を提示できたと思います。

ファッション企画コース

卒業制作のテーマの幅広さが企画コースの特徴です。企画コースは、社会の様々な動きを読み取って、問題点や課題を見つけ出し、その解決策を考え、新たな市場を創りだす「モノとコト」のデザインを提案しています。

今年のファッション企画コース賞「Oxidized」は、音楽から連想したアクセサリーの制作です。ファッションは音楽と関わりが深い分野で、ロックスタイルに合うおしゃれなアクセサリーをデザインしました。また注目されている古着を現代のリアルクローズに取り入れたスタイルブック「OLD NOW」も製作しました。現代は高齢社会。誰もが使いやすく、おしゃれが楽しめる「ファッション」×「ユニバーサルデザイン」を視点としたストール「COLORFUL FUN!」も企画しました。

学生たちは、それぞれ興味のあることを調査し、社会や人の動きを感じ、誰が何を望んでいるかをキャッチし企画提案しています。時間と空間を超えたインターネットの時代、今後のファッションデザインの行方を読み解いて欲しいと思います。