神戸芸術工科大学 ファッションデザイン学科

神戸芸術工科大学

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佐藤祐子 株式会社ワールド デイリーアイテム開発PJT ランジェリー開発MD兼バイヤー
(2000年3月芸術工学部工業デザイン学科ファッションデザインコース卒業 2004年3月大学院総合デザイン専攻修士課程修了)

F&T PEOPLE

株式会社ワールド デイリーアイテム開発PJT ランジェリー開発MD兼バイヤー 佐藤祐子

今回のF&T PEOPLEは、株式会社ワールドで活躍する卒業生の佐藤さんを紹介します。

Q、一度働いてから大学院に戻られていますが、その経緯について教えてください。

学部をテキスタイル専攻で卒業し、㈱ロートレアモンで1年半テキスタイル・ニット・服飾雑貨のデザインをしていました。その後、総合服飾雑貨メーカーに移り、1年半OEMデザイナーとして、企業への企画提案及びモノ作りまで担当していました。自分がデザインしたモノが世にでて流通やメディアにのる、トレンドのモノ作りは楽しかったのですが、単に消耗品を作っているのでは、と思った時期がありました。その折に見寺先生に会う機会があり、消耗品ではなく本当に必要とする人の為に、また心まで満たすデザイン、そうしたユニバーサルデザインの考え方を研究するため大学院に入りました。

Q、大学院ではどのようなことをやられていましたか?

研究過程での国内外の様々な福祉施設訪問時に、デンマークにある高齢者施設でテキスタイルデザインのリハビリとしての活用を見学し刺激を受けました。自分の原点はテキスタイルデザインだったことや大学院時に基礎造形のアシスタントをしていたこともあり、染色という創作活動を通してリハビリに生かせるプランを考え、福祉施設をまわり、藍染めを用いたワークショップを行って事例を重ねました。藍染は天然染料で人の体に優しく、絞り染めや板締めなどクラフト感覚の創作作業が身体のリハビリに、酸化で色の変化も楽しめる藍の特性の楽しさと創る事の達成感が心のリハビリになります。最終的には障害を持っている方にも巻きやすいストールのデザインを作るプログラムを考えました。

Q、卒業後は、どのようなお仕事を?具体的に教えてください。

卒業後、現在働いているワールドに就職し、最初はインディヴィというブランドで情報MDをしていましたが、すぐにランジェリーのバイヤーに異動して今に至ります。現在、ランジェリーの取り扱いは、オペークやフラクサス等大型店のコーナーとして12店舗ほどあり、それ以外にもワールドオンラインストアや外部ECサイトでも取り扱っています。商品の買い付け、自社製品のデザインと発注等の商品及び数量設計、VMD等の売り場づくり、フィッティング研修等の勉強会、売り場での販売、ECサイトのコメント書きまで、アシスタントの協力のもと、ほぼすべてのことを行っています。

Q、現在の仕事の魅力は何ですか?

ユニバーサルデザインの研究とアパレル企業で働くことは、一見違うようで通じる部分があります。地域や店舗の形態による売れ方の違いに合わせて売り方であるMD設計を変えるのはもちろんですが、洋服より工学的なランジェリーは特殊なところがあり、同じC-70サイズでも人の体はそれぞれ違い、バストの形、人それぞれのコンプレックスは多様です。それに対しパターンやサイズの違う様々な国のブラジャーをバイイングしているので、その人に合わせたオンリーワンを提案することが出来きるのは、大学院で研究していた考え方に通じていてとても魅力的です。洋服より身近でストレスを感じやすいランジェリーという商品は、身体だけでなく心まで満たせるモノでもあると考えています。

Q、学生生活での一番の思い出は何ですか?

大学院で、トレンドとは正反対の福祉という視点から、国内外の様々な施設を回り、障害を持った方々と一緒に活動することができ、自分の人生観がこの2年間で変わるほどの刺激を受けました。機会をくださった見寺先生には感謝しています。

Q、後輩に送る言葉、学生の時にどんなことをしておいたら、よいと思っていますか?

今は危機感を感じないかもしれませんが、ファッションの市場の流れはとても早く競争社会です。とにかく色んなものを見て感じる事、積極的に外にでて社会と関わり色んな刺激を受ける事、そして考える力をつける事が大切だと思います。その時間が作れて自分を創造できる事が専門学生にはなく大学生の強みだと思います。そうして広い視点から物事を捉えた上で、外へ発信できる企画制作を行って欲しいと思います。